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白昼夢、1
第1章 居酒屋にて−2


白昼夢、3

1、居酒屋にて−3

その男は背が高く彼の顎ぐらいしか私は背がないほど高くて、私の目の前でその人の太い腕に力が入り胸の筋肉が盛り上がるの、なんかドキドキしちゃった。
私は恥ずかしそうな芝居をして、顔を背けながら、筋肉の盛り上がりを見て男の脇の匂いを嗅いでたの。
少し揺れてくれたら抱きつけるのにと私は思ったんだけど、それは起こらなかったわ。
ところが男がバックを下ろす時にバランスを崩してしまった様で、私の肩に男の脇腹が当たったの。

電車は混雑とは程遠く立っているのも私だけの様な感じで、男には邪魔したみたいで申し訳なく感じたけど、私は身体を硬直したみたいに動けなかったの。男は両手腕を上げたまま私に振り向いて、「ごめんなさい」って言ってくれたわ。
その時ね、私の周りに男の匂いがズーンと降りて来て初めて嗅いだ蕩けそうになるぐらい素敵な匂いだったのよ。
私の頭の中は少しでも多く吸いたいと思うだけで何も考えられないのよ。
男はきっと朝にシャンプーをしてる、シャワーを浴びてきたみたいで爽やかな石鹸の匂いと少しだけ男臭い匂いが私の鼻を刺激したわ。私はもうそれだけで充分感動していたの。私のお腹の気持ち良い所がぎゅうぎゅう締まって気持ちいいの、どうしてだろう今までこんなことはなかったのに私は男の匂いに夢中になってしまう。
少し体が当たって当たってしまったので建設現場風の男は紀美子に会釈して駅に降りていってしまったのよ。
ウズウズする身体をどうしたら良いかわからなかったわ。」

優香里が口を挟んで来た。
「それは妄想癖じゃないよね。匂いフェチの変態さんですね」

「やっぱり私は変態か?」
紀美子はビールの入ったジョッキを半分くらい飲み干してまたため息をついた。

「紀美子は知らない間にストレスを拗らせているんじゃないかな?私は間接的な知り合いにワンナイトの彼を紹介してもらえるよ、聞いて見ようか?」

「優香里様、かたじけないが、私ゃ旦那とも月に一二度交わっておりまする」
「うそ私には紀美子はセックスレスって言ってたのに、騙して私だけに語らせたな?」

「そうだっけなぁ、ワンナイトは憧れるけど恋がしたい方が先かな」
「また話しを誤魔化してる、ここは紀美子あんたの奢りね!」

いっぱい笑った楽しい時間が終わった。
飲んで食って紀美子は優香里と別れ家路に向かった。
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