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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
 ちなみにこの穴の上部には屋敷の地下牢に繋がっている穴がある。フローレス公爵の性悪な父親が用意したものだ。
 地下牢の空気孔から抜け出したら、この穴に落ちる仕組みとなっている。池の水を塞いでいる栓に紐が繋がれており、その紐の先端は反対の壁に固定されている。落ちた脱獄囚で栓が抜かれ、池の水が徐々に流れていくようになっている。
 暗闇の中でも徐々に増えていく水に脱獄囚が怯えるように、ランタンを設置するフックまでつけられていた。

「どうしよう……」
 何か無いかと漁るも、ナイフしか持ち合わせていない。泳げないカミリアは、徐々に増えていく水に恐怖し、絶望した。

 ハーディにカミリアを任せたリュゼは、自室で鼻唄を歌いながら、化粧直しをした。
「ラウル様は渡さない」
 真っ赤な口紅を引き、口元に三日月を描く。

 リュゼはずっとラウルに恋い焦がれていた。他の令嬢と違い、地位や顔に惚れたのではない。ラウルの優しさに惚れ込んだのだ。昔から背が低いことがコンプレックスだったリュゼ。ダンスを教えてくれる教育係にも、もう少し背があればと嫌味を言われ、母には「小さく産んでごめんね」と謝られた。
 社交界に出れば、他の令嬢達に子供が来る場所ではないと笑われた。そんなリュゼを励ましたのがラウルだった。大事なのは中身であって、見た目じゃない。身長なんて気にしなくていいと言ってくれたのを、昨日のように思い出す。

 この前の社交シーズンで会った時に覚えてもらえていなかったのはショックだったが、当時の自分に魅力がなかっただけだと開き直り、ラウルに好きになってもらえる努力をし続けた。今回の交友パーティは、予定よりはやくラウルに会えると歓喜していたが、隣に邪魔な女がいた。
 ソニアと名乗る女だ。あの美貌だから仕方ないと諦めかけたが、明らかに付け焼き刃のマナーで気が変わった。あんなメッキの教養で、ラウルのそばにいようなんて図々しいにも程がある。ラウルの隣にいるべきは、自分だと。
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