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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
「ラウル……」
カミリアは今朝もらったばかりのネックレスを手に取る。大きな宝玉が、ランタンの光を反射して輝いた。ラウルはお守りにとこのネックレスを渡した。それなら、生き残るために使っても問題ないはずだ。それに、回収できる可能性は高い。
何より、この想いを伝えずに死ねない。少し前まではラウルへの想いは胸に秘めておこうと思っていたが、こうして命の危機に瀕して、想いを伝えなければ後悔すると悟った。
ラウルはサウラの禁断の恋を叶えるためにも、両国を変える必要があると言っていた。それなら、自分達の恋も叶うはず。ラウルなら、きっとそんな未来を切り開いてくれる。都合のいい解釈かもしれないが、生存本能がその考えを確かな未来と錯覚させた。
「ラウル、私を助けて……」
カミリアはネックレスを外すと、両手で握って祈りを捧げる。その間にも水は徐々に増えていき、へそのあたりまで来ていた。
カミリアはネックレスのチェーンをサテンのロープに縛り付けると、振り回してフックめがけて投げた。ネックレスがランタンをかすめ、落ちてくる。カミリアは水没する寸前で、ネックレスをキャッチした。宝玉に小さな傷ができてしまい、心が苦しい。
「落ち込む必要なんてない。ロープがフックに届くって分かっただけで無駄じゃなかったんだから」
カミリアは自分に言い聞かせて気持ちを奮い立たせると、何度もロープを投げた。水が胸まで来た頃、ようやくフックにサテンのロープが巻きついた。
「まずは第一段階クリア。ここからが勝負ね……」
深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、目を閉じて記憶を辿っていく。思い出すのは、子供の頃の記憶。
泳げないカミリアに、せめて浮くことができるようにと、ハーディが一生懸命教えてくれた。
『溺れかけても焦って手足をバタバタさせちゃダメ。身体の力をぬいて浮くの。怖がらないで」
再び深呼吸をすると、カミリアは足を離した。ダラリと力を抜くと、身体が浮き上がってくる。
カミリアは今朝もらったばかりのネックレスを手に取る。大きな宝玉が、ランタンの光を反射して輝いた。ラウルはお守りにとこのネックレスを渡した。それなら、生き残るために使っても問題ないはずだ。それに、回収できる可能性は高い。
何より、この想いを伝えずに死ねない。少し前まではラウルへの想いは胸に秘めておこうと思っていたが、こうして命の危機に瀕して、想いを伝えなければ後悔すると悟った。
ラウルはサウラの禁断の恋を叶えるためにも、両国を変える必要があると言っていた。それなら、自分達の恋も叶うはず。ラウルなら、きっとそんな未来を切り開いてくれる。都合のいい解釈かもしれないが、生存本能がその考えを確かな未来と錯覚させた。
「ラウル、私を助けて……」
カミリアはネックレスを外すと、両手で握って祈りを捧げる。その間にも水は徐々に増えていき、へそのあたりまで来ていた。
カミリアはネックレスのチェーンをサテンのロープに縛り付けると、振り回してフックめがけて投げた。ネックレスがランタンをかすめ、落ちてくる。カミリアは水没する寸前で、ネックレスをキャッチした。宝玉に小さな傷ができてしまい、心が苦しい。
「落ち込む必要なんてない。ロープがフックに届くって分かっただけで無駄じゃなかったんだから」
カミリアは自分に言い聞かせて気持ちを奮い立たせると、何度もロープを投げた。水が胸まで来た頃、ようやくフックにサテンのロープが巻きついた。
「まずは第一段階クリア。ここからが勝負ね……」
深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、目を閉じて記憶を辿っていく。思い出すのは、子供の頃の記憶。
泳げないカミリアに、せめて浮くことができるようにと、ハーディが一生懸命教えてくれた。
『溺れかけても焦って手足をバタバタさせちゃダメ。身体の力をぬいて浮くの。怖がらないで」
再び深呼吸をすると、カミリアは足を離した。ダラリと力を抜くと、身体が浮き上がってくる。