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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第2章 騎士団長命令
「女性も差別の対象です。これについては、ドゥム達を見てある程度分かったでしょうが、女性が上の地位に立つと、白い目で見られます。実力ではなく、身体を売って入ったと陰口を叩かれます」
「なるほど、男は無条件に女より優れてると思われてるって感じかな?」
「はい、そうです。女は愛想を振りまいて、家事だけしていればいい。女が勉強や剣術を学ぶなんて考えられない。大抵のシャムス人は男女関係なく、そう考えていると思います」
「随分深刻だな……。女性は男の奴隷ではないのにね」
ラウルの言葉に、カミリアは胸が熱くなる。サウラを例外に、男は皆女性を差別していると思った。ラウルにいたっては、女たらしだと。少しだけ、ラウルの見方が変わった。
「髪色と女性以外に、差別はあるのかい?」
「はい。私個人としては、これが1番問題だと思っています」
脳裏に過ぎるのは、この前助けた黒髪の少年や、焼印でしなくていい苦労をしている人々のこと。いくら地位があるとはいえ、騎士団長にどうこうできる問題ではないが、悲劇を終わらせるためにも、ひとりでも多くの人に知ってほしい。
理由は分からないが、ラウルならこの問題を明るい方向へ持っていってくれるのではないかと、淡い期待を抱いてしまう。
「ラウル団長、焼印について聞いたことありますか?」
焼印という言葉と聞いた瞬間、ラウルの眉間にシワが寄る。
「あぁ、詳しいことは知らないけど、三日月の焼印だろ? あれは一体どういう言われがあるんだい?」
「あれは、未婚の子に付けられるものです。この国では未婚を不浄のものと考えていて、未婚のまま妊娠したり、出産したりしたカップルは罰せられるんです。子供には未婚の子である印として、三日月の焼印を、顔に……」
「はぁ……本当に酷い国だね……。話してくれてありがとう。辛いことばかり聞いてごめんね」
そう言ってラウルはカミリアの柔らかなブロンドの髪を撫でる。カミリアは戸惑いながらも、おとなしく撫でられる。恥ずかしさはあるものの、不思議と心地よく、振り払おうという気は起きなかった。
「なるほど、男は無条件に女より優れてると思われてるって感じかな?」
「はい、そうです。女は愛想を振りまいて、家事だけしていればいい。女が勉強や剣術を学ぶなんて考えられない。大抵のシャムス人は男女関係なく、そう考えていると思います」
「随分深刻だな……。女性は男の奴隷ではないのにね」
ラウルの言葉に、カミリアは胸が熱くなる。サウラを例外に、男は皆女性を差別していると思った。ラウルにいたっては、女たらしだと。少しだけ、ラウルの見方が変わった。
「髪色と女性以外に、差別はあるのかい?」
「はい。私個人としては、これが1番問題だと思っています」
脳裏に過ぎるのは、この前助けた黒髪の少年や、焼印でしなくていい苦労をしている人々のこと。いくら地位があるとはいえ、騎士団長にどうこうできる問題ではないが、悲劇を終わらせるためにも、ひとりでも多くの人に知ってほしい。
理由は分からないが、ラウルならこの問題を明るい方向へ持っていってくれるのではないかと、淡い期待を抱いてしまう。
「ラウル団長、焼印について聞いたことありますか?」
焼印という言葉と聞いた瞬間、ラウルの眉間にシワが寄る。
「あぁ、詳しいことは知らないけど、三日月の焼印だろ? あれは一体どういう言われがあるんだい?」
「あれは、未婚の子に付けられるものです。この国では未婚を不浄のものと考えていて、未婚のまま妊娠したり、出産したりしたカップルは罰せられるんです。子供には未婚の子である印として、三日月の焼印を、顔に……」
「はぁ……本当に酷い国だね……。話してくれてありがとう。辛いことばかり聞いてごめんね」
そう言ってラウルはカミリアの柔らかなブロンドの髪を撫でる。カミリアは戸惑いながらも、おとなしく撫でられる。恥ずかしさはあるものの、不思議と心地よく、振り払おうという気は起きなかった。