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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第2章 騎士団長命令
「それぞれのメリット・デメリットについて話をしよう。まず、人海戦術のメリットだが、兵器や資金力などを必要としない。だが、デメリットはかなり大きい。数に頼るあまり、ひとりひとりの気が緩む。他人任せにして逃げ出す兵士もいるだろう。連携もロクに取れない。何より、多くの命を犠牲にする。だから、私は人海戦術は絶対に使わない。この騎士団がどれだけ大きくなろうが、君達ひとりひとりに変わりはいない」
少し感情的になってしまったかと思いながら、彼らを見る。騎士達は小声で隣同士の者と話し合いながら、ノートを取っていた。
(今のところ順調、ってことでいいんだよね……?)
カミリアは資料にざっと目を通して、顔を上げる。
「次に、少数精鋭についてだ。少数精鋭のメリットは、連携が取りやすい、数が少ないため、敵に見つからずに任務を遂行しやすいなどがある。大勢に囲まれたとしても、日々鍛錬をしている精鋭なら、立ち向かっていけるだろう」
カミリアは言葉を途切れさせ、この場にいる騎士達を見回す。彼らの顔は真剣そのもので、真面目にカミリアの話を聞いている。
「私は、この騎士団がどんな困難にも立ち向かえるよう、ひとりひとりに精鋭になってもらいたいと思っている。王族や国民の命はもちろん、仲間や自分自身の命を守れるよう、日々の鍛錬と勉学を怠らないように。軍学のすべてを覚えろとは言わない。基礎知識だけでもいい、たったひとつの戦術だけでもいい。その知識が、きっといつか皆の役に立つ日が来るはずだ」
話をしているうちについ感情的になり、一気に話してしまった。カミリアは小さく息を整えると、再び彼らを見回した。熱い視線を送られて驚くも、自分の言葉が彼らの心に届いたと思うと嬉しくなる。
「今日の授業はここまで。……初めてで正直自信がないんだが、どうだった?」
恐る恐る聞いてみると、騎士達はカミリアを囲んだ。彼らの目はきらきらと輝いており、くすぐったい気持ちになる。
少し感情的になってしまったかと思いながら、彼らを見る。騎士達は小声で隣同士の者と話し合いながら、ノートを取っていた。
(今のところ順調、ってことでいいんだよね……?)
カミリアは資料にざっと目を通して、顔を上げる。
「次に、少数精鋭についてだ。少数精鋭のメリットは、連携が取りやすい、数が少ないため、敵に見つからずに任務を遂行しやすいなどがある。大勢に囲まれたとしても、日々鍛錬をしている精鋭なら、立ち向かっていけるだろう」
カミリアは言葉を途切れさせ、この場にいる騎士達を見回す。彼らの顔は真剣そのもので、真面目にカミリアの話を聞いている。
「私は、この騎士団がどんな困難にも立ち向かえるよう、ひとりひとりに精鋭になってもらいたいと思っている。王族や国民の命はもちろん、仲間や自分自身の命を守れるよう、日々の鍛錬と勉学を怠らないように。軍学のすべてを覚えろとは言わない。基礎知識だけでもいい、たったひとつの戦術だけでもいい。その知識が、きっといつか皆の役に立つ日が来るはずだ」
話をしているうちについ感情的になり、一気に話してしまった。カミリアは小さく息を整えると、再び彼らを見回した。熱い視線を送られて驚くも、自分の言葉が彼らの心に届いたと思うと嬉しくなる。
「今日の授業はここまで。……初めてで正直自信がないんだが、どうだった?」
恐る恐る聞いてみると、騎士達はカミリアを囲んだ。彼らの目はきらきらと輝いており、くすぐったい気持ちになる。