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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第5章 ♠RoundⅢ(淫夢)♠
ベッドに戻ると、再び上掛けの下にすべり込んだ。
紗英子はしばらく直輝の寝顔を眺めていた。何もかもを預けたような、安心しきった表情が微笑ましい。思わず涙ぐんでしまうほど、この男を愛おしいと思えた。
自分の心はとうに冷え切っていたと思っていたのに、まだ夫への愛情は奥底で眠っていたのだ。昨夜、直輝に抱かれたことによって、その眠っていた感情がめざめたのかもしれない。それは長らく放置され、セックスで快感を得ることを忘れてしまっていた紗英子の身体にも似ていた。
直輝は夕べ、紗英子のその凍った身体に火を点し、彼女の中の官能―女である感情を目覚めさせたのだ。そして、女であることに気づいたときに、紗英子の夫への想いもまた再び芽吹いた。
「紗英子」
唐突に直輝の声が耳を打ち、紗英子は現実に引き戻された。
紗英子はしばらく直輝の寝顔を眺めていた。何もかもを預けたような、安心しきった表情が微笑ましい。思わず涙ぐんでしまうほど、この男を愛おしいと思えた。
自分の心はとうに冷え切っていたと思っていたのに、まだ夫への愛情は奥底で眠っていたのだ。昨夜、直輝に抱かれたことによって、その眠っていた感情がめざめたのかもしれない。それは長らく放置され、セックスで快感を得ることを忘れてしまっていた紗英子の身体にも似ていた。
直輝は夕べ、紗英子のその凍った身体に火を点し、彼女の中の官能―女である感情を目覚めさせたのだ。そして、女であることに気づいたときに、紗英子の夫への想いもまた再び芽吹いた。
「紗英子」
唐突に直輝の声が耳を打ち、紗英子は現実に引き戻された。