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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第5章 ♠RoundⅢ(淫夢)♠
直輝はいつしか腹ばいになっている。紗英子がぼんやりとしている間に、取ってきたものか、火を付けた煙草をくわえていた。
紗英子はゆっくりと身を起こした。直輝の視線が露わになった乳房に注がれている。そのまなざしにまだ情事のときの熱さと衰えることのない獣じみた欲望を感じ取って、紗英子は頬を赤らめた。慌て上掛けを引き上げ、胸許を隠す。
しかし、悪い気分ではなかった。またもや、夫に愛され、満たされた妻の心―などと、いつか女性誌で読んだ記事のタイトルが浮かんでくる。それはセックスレスの女性には到底、縁のない言葉。
そう、私は満たされている。夫にこんなにも愛されている。この私ほど幸せな女がいるだろうか?
かすかな優越感に浸っていると、自然に一人の女の顔が脳裏をよぎった。
直輝が紗英子の胸許から視線を外し、ゆっくりと動かした。何を考えているのか、宙に視線をさまよわせている。
紗英子はゆっくりと身を起こした。直輝の視線が露わになった乳房に注がれている。そのまなざしにまだ情事のときの熱さと衰えることのない獣じみた欲望を感じ取って、紗英子は頬を赤らめた。慌て上掛けを引き上げ、胸許を隠す。
しかし、悪い気分ではなかった。またもや、夫に愛され、満たされた妻の心―などと、いつか女性誌で読んだ記事のタイトルが浮かんでくる。それはセックスレスの女性には到底、縁のない言葉。
そう、私は満たされている。夫にこんなにも愛されている。この私ほど幸せな女がいるだろうか?
かすかな優越感に浸っていると、自然に一人の女の顔が脳裏をよぎった。
直輝が紗英子の胸許から視線を外し、ゆっくりと動かした。何を考えているのか、宙に視線をさまよわせている。