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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第5章 ♠RoundⅢ(淫夢)♠
紗英子は彼との間に二十三年分もの月日を積み重ねてきたのに、実は、その重みは彼にとっては何の価値もなかったということだ。
百歩譲って、それが言い過ぎだとしても、結局、紗英子と直輝の二十三年間は、有喜菜と直輝のたった一年間にも及ばなかった―そういうことだろう。
ヒーターが効いているはずなのに、俄に室内の温度が下がったような気がする。紗英子は思わず小刻みに身体を震わせ、慌てて上掛けを顎の上まで引き上げた。
その拍子に、上掛けが剥き出しになった乳房を掠めた。さんざん愛撫されて、敏感になった乳房の突起が布に触れる刺激にも、ぞくぞくする。
直輝によって火の点された身体はなかなか静まってくれない。そのこともまた今の紗英子には、やるせなさと哀しみをもたらした。
百歩譲って、それが言い過ぎだとしても、結局、紗英子と直輝の二十三年間は、有喜菜と直輝のたった一年間にも及ばなかった―そういうことだろう。
ヒーターが効いているはずなのに、俄に室内の温度が下がったような気がする。紗英子は思わず小刻みに身体を震わせ、慌てて上掛けを顎の上まで引き上げた。
その拍子に、上掛けが剥き出しになった乳房を掠めた。さんざん愛撫されて、敏感になった乳房の突起が布に触れる刺激にも、ぞくぞくする。
直輝によって火の点された身体はなかなか静まってくれない。そのこともまた今の紗英子には、やるせなさと哀しみをもたらした。