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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第6章 ♠RoundⅣ(踏み出した瞬間)♠
子宮をすべて失っても、母親になるという道はまだ残されている―。その言葉は紗英子の心を真っすぐに捉え、絡め取った。
その瞬間、紗英子の心も決まった。費用の問題もある。直輝が何と言うか―恐らく真っ向から反対するに違いない。
だが、やらねばならない。紗英子は自分のためにこの世に生まれ出ようとしていた生命を犠牲にしたわけでもないし、一度ですら妊娠したことはない。それでも、何としてでも子どもを持ちたいという熱意は誰にも負けはしなかった。
紗英子はすぐに自室からノートパソコンを持ってきて、早速立ち上げた。海外へ渡るというのは最終的な手段にするとして、紗英子にはある考えがあった。
S市のエンジェル・クリニックという病院では、日本で唯一の代理母出産を行っていると聞いたことがある。もちろん、違法のため、院長は何度か警察で事情聴取を受けたこともあり、逮捕されかけたこともあるが、いずれも不起訴で釈放された。
その瞬間、紗英子の心も決まった。費用の問題もある。直輝が何と言うか―恐らく真っ向から反対するに違いない。
だが、やらねばならない。紗英子は自分のためにこの世に生まれ出ようとしていた生命を犠牲にしたわけでもないし、一度ですら妊娠したことはない。それでも、何としてでも子どもを持ちたいという熱意は誰にも負けはしなかった。
紗英子はすぐに自室からノートパソコンを持ってきて、早速立ち上げた。海外へ渡るというのは最終的な手段にするとして、紗英子にはある考えがあった。
S市のエンジェル・クリニックという病院では、日本で唯一の代理母出産を行っていると聞いたことがある。もちろん、違法のため、院長は何度か警察で事情聴取を受けたこともあり、逮捕されかけたこともあるが、いずれも不起訴で釈放された。