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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第6章 ♠RoundⅣ(踏み出した瞬間)♠
「じゃあ、その病院にすべてを任せると?」
「そうね。海外へ行くとなると、言葉の問題もあるし、費用だけでも格段に跳ね上がってしまうから。幸い院長先生も引き受けても良いと言っているし、そこでお世話になろうと思う」
「私は一度、流産してる。三度目は不幸な事故のせいだったとしても、二度めも死産だった。確かに妊娠はできる身体かもしれないけれど、無事に赤ちゃんを産めるかどうか自信はないわ」
 そのときだけ、有喜菜の声が揺れた。
 紗英子は、きっぱりと言った。
「構わないわ」
 もう一度、正面から友の顔を見据える。
「そのときはそのときで、仕方ないと諦める。もちろん、途中で万が一のことがあっても、お礼はちゃんと支払うから」
「途中で流産や死産になったとしても、全額支払うと?」
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