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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第6章 ♠RoundⅣ(踏み出した瞬間)♠
具体的な金額を提示すると、有喜菜の唇がまたかすかに戦慄いた。
「本当にやる気なのね?」
「もちろんよ。悪ふざけでこんなことを言い出したりはしないし、仕事中のあなたを呼び出したりはしないわ」
「二つほど確認しても良いかしら」
「もちろん、何でも訊いて」
「一つ目の質問は、直輝がこのことを承諾しているのかってこと。あの人の性格からして、そこまで途方もないことにすんなり賛成するとは思えないもの。それから二つ目は、代理出産は日本では違法になる行為で、正当な医療行為とは認められないわ。その点について、紗英はどう考えてるの?」
「S市のエンジェル・クリニックって名前くらいは聞いたことがない?」
紗英子は今朝、クリニックの院長と直接、電話で話したこと、その内容の細部まで隠すことなく告げた。
「本当にやる気なのね?」
「もちろんよ。悪ふざけでこんなことを言い出したりはしないし、仕事中のあなたを呼び出したりはしないわ」
「二つほど確認しても良いかしら」
「もちろん、何でも訊いて」
「一つ目の質問は、直輝がこのことを承諾しているのかってこと。あの人の性格からして、そこまで途方もないことにすんなり賛成するとは思えないもの。それから二つ目は、代理出産は日本では違法になる行為で、正当な医療行為とは認められないわ。その点について、紗英はどう考えてるの?」
「S市のエンジェル・クリニックって名前くらいは聞いたことがない?」
紗英子は今朝、クリニックの院長と直接、電話で話したこと、その内容の細部まで隠すことなく告げた。