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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第6章 ♠RoundⅣ(踏み出した瞬間)♠

「何だ、それは。お前、何を夢みたいなことを言ってる」
「夢じゃないの。直輝さんも聞いたことくらいはあるでしょ。代理出産といって、自分たちの子どもを別の人の子宮に戻して育てて生んで貰う方法があるのよ」
「―」
しばらく直輝から声はなかった。
「タレントの幡多ふゆ香さんが一ヶ月ほど前に、代理出産で生まれた双子の赤ちゃんを連れて帰国したニュース、今朝のテレビで見たの。だから、私たちも―」
「おい」
直輝が呼びかける。紗英子は一瞬ポカンと夫を見たが、それでも、喋るのを止めようとしなかった。
「だからね、わたしたちも―」
「おい! 俺の話も聞けよ」
直輝が声を荒げた。
「代理出産なんて口で簡単に言うが、それがどれほど大変なことか判ってるのか? 今、日本では代理母による出産は認められていないんだぞ? 下手をすれば、犯罪にもなりかねない違法行為だって自覚があるのか。大体、そんな状況で引き受けてくれる病院なんて、あるものか」
「夢じゃないの。直輝さんも聞いたことくらいはあるでしょ。代理出産といって、自分たちの子どもを別の人の子宮に戻して育てて生んで貰う方法があるのよ」
「―」
しばらく直輝から声はなかった。
「タレントの幡多ふゆ香さんが一ヶ月ほど前に、代理出産で生まれた双子の赤ちゃんを連れて帰国したニュース、今朝のテレビで見たの。だから、私たちも―」
「おい」
直輝が呼びかける。紗英子は一瞬ポカンと夫を見たが、それでも、喋るのを止めようとしなかった。
「だからね、わたしたちも―」
「おい! 俺の話も聞けよ」
直輝が声を荒げた。
「代理出産なんて口で簡単に言うが、それがどれほど大変なことか判ってるのか? 今、日本では代理母による出産は認められていないんだぞ? 下手をすれば、犯罪にもなりかねない違法行為だって自覚があるのか。大体、そんな状況で引き受けてくれる病院なんて、あるものか」

