この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第8章 ♦RoundⅤ(覚醒)
 紗英子と違い、自分はまだ彼の子どもをその身に宿し生むことができる。それは有喜菜の心を大きく揺さぶり、一抹の迷いを生じさせた。
 気がつけば、有喜菜は紗英子に〝良いわ〟と応えていた。ただ、最後まで紗英子に〝あなたの子どもを生む〟とは言わず、
―私は直輝の子どもを産むわ。
 と告げた。あれは、むろん故意の上のことであり、有喜菜のせめてもの矜持であった。自分は紗英子に利用されるのではない、自分自身の意思で、紗英子にもできなかった行為―好きな男の子どもを生むのだ。
 その気持ちを精一杯、あのひとことに込めたのだ。紗英子にそれが伝わったかどうかも判らないし、それはこの際、どうでも良いことだ。
 しかし、あの日、紗英子と別れて自宅に戻ってから後、紗英子は幾度携帯電話を握りしめたかも知れなかった。こんなことは馬鹿げている。幾ら子どもが欲しいからといって、借り腹をしてまで赤ん坊を得ようとするのは行き過ぎだし、更にそれに協力しようとする自分もどうかしているとしか思えない。
/435ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ