この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第3章 ♠Round.Ⅰ(喪失)♠
 それが、すべての間違いの因(もと)だったのだ。もっと早くにそのことに気づいていれば、いや、気づいても気づかないふりなどしないで、直輝と二人だけで生きることを考えれば良かった。後に、自分がどれほど後悔することになるか、その時、紗英子はまだ知らなかった。
 大抵、結婚記念日の何日か前には、
―今年もNホテルのディナー、予約しといたからな。
 まるで、それが神聖な儀式の始まりでもあるかのように口にする直輝だが、流石に今年はまだ一度も、それらしいことは口にしない。
 まあ、紗英子がこんな状態では、ディナーなんて行けるはずもなく、ましてや三日後は退院すらも覚束無いだろう。どんなに経過が順調でも、二週間の入院は必要だとあらかじめ言い渡されているのだから。
 初めから行けないものについてあれこれ話しても、かえって空しくなるだけだと思っているのかもしれない。そう考えてみれば、いかにも直輝らしい気遣いだと思えた。紗英子は直輝が何も言い出さなかったことについて、そんな風に解釈した。
/435ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ