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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第3章 ♠Round.Ⅰ(喪失)♠
12回目の結婚記念日は、どうやら初めて自宅以外の場所で迎えることになりそうだ。自分が入院しているのだから仕方ないと思いつつも、直輝が何も言い出さないことについて一抹の淋しさを感じている紗英子であった。
複雑な想いを抱いてクリスマスツリーを眺めていると、やがて診察室の方から名前が呼ばれた。
「矢代(やしろ)さん、矢代紗英子さーん」
飾り付けられたツリーはキラキラとイルミネーションも美しく輝いている。紗英子はツリーから視線を外し、返事をして立ち上がった。
複雑な想いを抱いてクリスマスツリーを眺めていると、やがて診察室の方から名前が呼ばれた。
「矢代(やしろ)さん、矢代紗英子さーん」
飾り付けられたツリーはキラキラとイルミネーションも美しく輝いている。紗英子はツリーから視線を外し、返事をして立ち上がった。