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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第9章 ♦RoundⅥ(天使の舞い降りた日)♦
いつも溌剌とした話し方をする彼女には似合わないような沈んだ、それでいて諦めてないという意思を感じさせる口調である。
そう言って微笑む彼女を見ていると、何故だか胸がツキリと痛んだ。
元気な赤ん坊さえ受け取れば、後は一切、私に有喜菜の生活について干渉する権利はない。それは一見、もっともでありながら、どこか理不尽な要求にも思えた。我が子がもしかしたら危険に晒されるかもしれないのに、そんな状況をみすみす見ないふりをするなんて。
その後、二人はろくに会話もないままに店を出たところで別れた。
私がした選択は正しかったのだろうか?
他人の腹を借りてまで我が子を得たいと願ったのは、やはり人としての道にもとるものだったのだろうか。
三ヶ月前、代理母出産を希望すると宣言したときの夫の表情がありありと浮かんだ。
そう言って微笑む彼女を見ていると、何故だか胸がツキリと痛んだ。
元気な赤ん坊さえ受け取れば、後は一切、私に有喜菜の生活について干渉する権利はない。それは一見、もっともでありながら、どこか理不尽な要求にも思えた。我が子がもしかしたら危険に晒されるかもしれないのに、そんな状況をみすみす見ないふりをするなんて。
その後、二人はろくに会話もないままに店を出たところで別れた。
私がした選択は正しかったのだろうか?
他人の腹を借りてまで我が子を得たいと願ったのは、やはり人としての道にもとるものだったのだろうか。
三ヶ月前、代理母出産を希望すると宣言したときの夫の表情がありありと浮かんだ。