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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅦ(再会)♦
その時。内線が鳴り響き、直輝は眉を顰めて電話を取った。
「もしもし」
「矢代課長、外線三番にお電話です」
どこか舌っ足らずな口調なのは、受付課の小泉満奈美に違いない。
「ああ、判った」
直輝は事務的な口調で言った。
と、急に満奈美の口調が馴れ馴れしいものへと変わった。
「課長も隅に置けないんですね。女性の方ですよ、電話」
「君には関係ない話だろう」
直輝は努めて冷淡に断じる。この小泉満奈美という女には手を焼いていた。
直輝は社内でもかなりモテる方であった。別に自分で言っているわけではなく、どうやら同僚たちの噂では、そのようなことになっているらしい。自分のどこが良いのか判らないが、若い女子社員の中では〝社内で不倫してみたい、抱かれてみたい男〟のナンバーワンだとか。
「もしもし」
「矢代課長、外線三番にお電話です」
どこか舌っ足らずな口調なのは、受付課の小泉満奈美に違いない。
「ああ、判った」
直輝は事務的な口調で言った。
と、急に満奈美の口調が馴れ馴れしいものへと変わった。
「課長も隅に置けないんですね。女性の方ですよ、電話」
「君には関係ない話だろう」
直輝は努めて冷淡に断じる。この小泉満奈美という女には手を焼いていた。
直輝は社内でもかなりモテる方であった。別に自分で言っているわけではなく、どうやら同僚たちの噂では、そのようなことになっているらしい。自分のどこが良いのか判らないが、若い女子社員の中では〝社内で不倫してみたい、抱かれてみたい男〟のナンバーワンだとか。