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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅦ(再会)♦
すっかり辟易している直輝に同期の同僚などは
―何だ何だ、据え膳食わぬは男の恥だぞ? あの小西って子、名前だけでなく本当に女優の小西真奈美に似てるだろ。顔も身体も良さそうだし、この際、お前も少しは愉しんだらどうだ? 全っく、お前が羨ましいよ。同じ歳の男なのに、どうして俺は全然女が寄ってこなくて、お前には群がるんだ?
などとかえって羨ましがられ、けしかけられる始末だった。
「ねえ、課長、また今度、一緒に飲みましょうよ」
しなだれかかるような声音に総毛立ち、直輝はピシャリと内線を外線に切り替えた。
「もしもし、営業課の矢代ですが」
―お忙しいところ、申し訳ありません。
きびきびとした話し方には嫌みがなく好感が持てる。小泉満奈美と話した後なので、余計にそう思える。女特有の性(さが)をこれでもかと言わんばかりに全面に押し出した態度は、嫌みでしかない。
―何だ何だ、据え膳食わぬは男の恥だぞ? あの小西って子、名前だけでなく本当に女優の小西真奈美に似てるだろ。顔も身体も良さそうだし、この際、お前も少しは愉しんだらどうだ? 全っく、お前が羨ましいよ。同じ歳の男なのに、どうして俺は全然女が寄ってこなくて、お前には群がるんだ?
などとかえって羨ましがられ、けしかけられる始末だった。
「ねえ、課長、また今度、一緒に飲みましょうよ」
しなだれかかるような声音に総毛立ち、直輝はピシャリと内線を外線に切り替えた。
「もしもし、営業課の矢代ですが」
―お忙しいところ、申し訳ありません。
きびきびとした話し方には嫌みがなく好感が持てる。小泉満奈美と話した後なので、余計にそう思える。女特有の性(さが)をこれでもかと言わんばかりに全面に押し出した態度は、嫌みでしかない。