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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅦ(再会)♦
―私のことを憶えていらっしゃるでしょうか。N中で一緒だった宮澤と申します。
 宮澤―。直輝は一瞬、ポカンとし、破顔した。
「有喜菜?」
―そう、私、宮澤有喜菜。憶えてます?
「憶えてるも何も、忘れるわけないだろ。懐かしいな。確か、いちばん最後に逢ったのは」
 直輝が記憶の糸を手繰り寄せようとしている中に、有喜菜がさらりと言った。
―六年前のN中の同窓会のときよ。
「おう、そうだ、そうだった」
 直輝は幾度も頷いた。
「どうした? 急に」
―ちょっとね。昨夜、久しぶりに中学のときの卒業アルバムを見てたら、直輝のことを思い出しちゃって。あ、今はもう流石に呼び捨てはまずいかしら。
「なに水臭いことを言ってるんだ。君に〝直輝さん〟なんて呼ばれた日には、それこそ鳥肌が立つよ」
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