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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅦ(再会)♦
「君は相変わらずだな。言いたいことをずばすば言うところは少しも変わってない」
「―でしょ」
 どうやら有喜菜の変わったのは外見だけで、中身は全く中学時代と同じらしい。
 有喜菜の隣に座り、直輝は改めてしみじみと彼女を見つめた。
「綺麗になったね」
 感に堪えたように言うと、有喜菜が昔のようにアーモンド型の瞳をくるっと動かして言う。
「また、お世辞?」
「まさか、俺が有喜菜にお世辞なんか言うわけないだろうが」
「それもそうね」
 有喜菜と直輝は顔を見合わせて笑った。
 こうして顔を突き合わせて話をしていると、時が戻ってあの時代に帰ったかのようだ。
「本当に懐かしいな」
 有喜菜と過ごす時間は、直輝をあらゆるものから解き放ってくれる。それはあの頃と少しも変わらない。有喜菜はいつも余計なことは喋らず、ただ直輝の想いを、存在をゆったりと受け止めてくれた。
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