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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅦ(再会)♦
どうも意識すればするほど、豊かな胸のふくらみや、スカートのスリットから覗く魅惑的な長い足に意識が向いてしまうようだ。その注意を逸らそうと酒を飲んでみるが、むしろ逆効果で、飲めば飲むほど、視線は有喜菜の乳房にいってしまう。
一方の有喜菜はアルコール類ではなく、ウーロン茶だけを飲み続けている。
「私、あなたのことが好きだったのよ。でも、あなたは紗英子のことしか見ていなくて、私なんか眼中になかった」
だから、突然、有喜菜が発した言葉は最初、直輝には全く意味をなさずに飛び込んできた。
「え?」
自分でもみっともないと思うほど素っ頓狂な声が上がった。
しかし、物問いたげな直輝を無視して、有喜菜はつと立ち上がった。
片隅のグランドピアノまで行くと、マスタ―に了解を得てから、ピアノの前に座る。ほどなく、〝Candle Light〟の旋律が緩やかに流れてきた。
一方の有喜菜はアルコール類ではなく、ウーロン茶だけを飲み続けている。
「私、あなたのことが好きだったのよ。でも、あなたは紗英子のことしか見ていなくて、私なんか眼中になかった」
だから、突然、有喜菜が発した言葉は最初、直輝には全く意味をなさずに飛び込んできた。
「え?」
自分でもみっともないと思うほど素っ頓狂な声が上がった。
しかし、物問いたげな直輝を無視して、有喜菜はつと立ち上がった。
片隅のグランドピアノまで行くと、マスタ―に了解を得てから、ピアノの前に座る。ほどなく、〝Candle Light〟の旋律が緩やかに流れてきた。