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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅦ(再会)♦
水を向けてみると、有喜菜は曖昧な笑みを浮かべた。
「いないわ。三回妊娠したけど、どの子も育たなかったの。一度目は八週で流産、二人目は六ヶ月まで育ったのに死産になってね。三度目は四ヶ月でまた駄目になっちゃった」
語尾がかすかに震え、直輝はハッとした。
有喜菜の翳を落とす長い睫がかすかに震え、露の滴が宿っていた。
「ごめん、心ないことを訊ねてしまった」
直輝は狼狽え、マスターに作って貰った水割りをひと息に煽った。有喜菜のドレスに包まれた肢体はほっそりとしていながら、肉感的だ。つんと上を向いた乳房は形も良いし、ウエストは細く、女性的なふくらみを保ちつつ、余計な肉は一切ついていない。
三十六歳でしかも三度も妊娠していながら、この体型を維持できているのは奇蹟だとしか言いようがない。―と、即座に見ないふりをして有喜菜の身体を見てしまうのは、やはり助平なエロ親父と呼ばれる年代になってしまったからだろうか。
「いないわ。三回妊娠したけど、どの子も育たなかったの。一度目は八週で流産、二人目は六ヶ月まで育ったのに死産になってね。三度目は四ヶ月でまた駄目になっちゃった」
語尾がかすかに震え、直輝はハッとした。
有喜菜の翳を落とす長い睫がかすかに震え、露の滴が宿っていた。
「ごめん、心ないことを訊ねてしまった」
直輝は狼狽え、マスターに作って貰った水割りをひと息に煽った。有喜菜のドレスに包まれた肢体はほっそりとしていながら、肉感的だ。つんと上を向いた乳房は形も良いし、ウエストは細く、女性的なふくらみを保ちつつ、余計な肉は一切ついていない。
三十六歳でしかも三度も妊娠していながら、この体型を維持できているのは奇蹟だとしか言いようがない。―と、即座に見ないふりをして有喜菜の身体を見てしまうのは、やはり助平なエロ親父と呼ばれる年代になってしまったからだろうか。