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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅦ(再会)♦
最近、紗英子はいつも直輝の顔色を見てばかりいる。おどおどとして、それが余計に直輝の癇に障り腹立たしく思えるのだった。
一度、噛み合わなくなった歯車は努力して直そうとしても、余計に噛み合わなくなるばかりだ。少なくとも、紗英子の方は、直輝とうまくやろうと努力していることは直輝にも判る。
しかし、今更、それが何だというんだ。
俺はすべてを知ってしまった。
この女の醜い本性も、思慮に欠ける浅はかさも。
今日という日は、あまりにも色々とありすぎた。
蒼褪め震えている妻を後に残し、直輝は疲れた身体と心を抱えて一人で寝室に向かった。
一度、噛み合わなくなった歯車は努力して直そうとしても、余計に噛み合わなくなるばかりだ。少なくとも、紗英子の方は、直輝とうまくやろうと努力していることは直輝にも判る。
しかし、今更、それが何だというんだ。
俺はすべてを知ってしまった。
この女の醜い本性も、思慮に欠ける浅はかさも。
今日という日は、あまりにも色々とありすぎた。
蒼褪め震えている妻を後に残し、直輝は疲れた身体と心を抱えて一人で寝室に向かった。