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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
我知らず溜息をついたそのときだった。静寂ばかりが重く淀む室内に、携帯電話の鳴る音がやけに大きく響き渡った。
紗英子はついピクリと身を震わせた。しじまをつんざくように鳴り響くその音が何か途方もなく不吉な出来事の起きる前触れのような気がした。
そこで、紗英子は自嘲気味に笑う。ずっと待ち望んできた赤ちゃんを永遠に失ってしまったんだもの。もう、これ以上、悪いことなんて起きるはずもない。
ずっと長年抱えていた子宮筋腫も取ってしまったし、体調はかえって以前より良いほどだ。紗英子はまだ35歳だし、他にはこれといった持病もないから、これで本当の意味で健康な身体になれたのだともいえる。
携帯電話は相変わらず、けたたましく鳴り響いている。
我知らず溜息をついたそのときだった。静寂ばかりが重く淀む室内に、携帯電話の鳴る音がやけに大きく響き渡った。
紗英子はついピクリと身を震わせた。しじまをつんざくように鳴り響くその音が何か途方もなく不吉な出来事の起きる前触れのような気がした。
そこで、紗英子は自嘲気味に笑う。ずっと待ち望んできた赤ちゃんを永遠に失ってしまったんだもの。もう、これ以上、悪いことなんて起きるはずもない。
ずっと長年抱えていた子宮筋腫も取ってしまったし、体調はかえって以前より良いほどだ。紗英子はまだ35歳だし、他にはこれといった持病もないから、これで本当の意味で健康な身体になれたのだともいえる。
携帯電話は相変わらず、けたたましく鳴り響いている。