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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第11章 ♦RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
「君、凄いな」
 しばらくして、直輝がまだ荒い息を吐きながら言った。
「そう? 直輝が満足してくれたのなら、良かった」
 好きな相手であれば、とことん感じさせてあげたいし、自分もまた感じてみたい。それは有喜菜が初めて味わう想いであった。
「あまりに気持ち良すぎて、失神するかと思ったよ。今度は俺の番だな」
 そのときの有喜菜は珊瑚色の唇が直輝の放った液で濡れて光っていた。わずかに唇の端からその名残が滴っているのがまた何とも淫猥でそそる眺めである。むろん、彼女は自分では気づいていない。
「今の君、堪らないくらい素敵だよ」
 直輝は堪りかねたように言い、有喜菜の身体を抱えて後ろ向きに座らせた。これで有喜菜は彼に背を向けて跨っている格好になる。
「―あっ」
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