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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第11章 ♦RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
―何とも生まれる前から元気な赤ちゃんですな。もうかなり大きくなってきてますから、お母さんのお腹の中が狭くて苦しいのかもしれませんね。
 医師は有喜菜が代理出産を引き受けた妊婦であることも知っているはずなのに、付き添っている直輝との関係は全く訊ねなかった。
 その真摯な表情から、赤ん坊の父親であることは容易に想像がついたはずだ。代理母と胎児の遺伝子上の父親が本物の両親であるかのように睦まじく寄り添って健診を受けにきた―その異常な事実を訝しくは思っただろうが、態度には出さなかった。
 よほどの事情があることは自ずと伝わったのだろうか。
 医師がにこやかに言った時、有喜菜は直輝の頬が濡れているのに気づいた。彼は、有喜菜の腹部を元気に蹴る赤ん坊を見て、泣いていたのだった。
 その時、有喜菜は思ったものだ。やはり、直輝も人並みに我が子が可愛いのだと。たとえ代理出産という尋常ではない手段で得た子でも、彼にとっては紛れもない我が子なのだ、と。
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