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Tears【涙】~神様のくれた赤ん坊~
第4章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
ついに有喜菜も我慢の限界が来て、四年前に離婚するに至った。有喜菜も子どもには恵まれなかったが、紗英子の場合とは根本的に違う。有喜菜は五年間の結婚生活で三度妊娠している。一度目は三ヶ月で流産し、二度目は六ヶ月で死産した。妊婦検診の前日までは元気に動いていた胎児が急に動かなくなったのだという。
これはおかしいと受診したのは、丁度、定期の検診の日に当たっていた。受診した時、まだ胎児の心臓は動いていた。
―かなり弱っていますが、まだ心臓は動いています。
医師はエコーを通して胎児の心臓を指しながら、言ったそうだ。
まだ二十一週なので、このまま体外に出しても無事に育つ可能性は少ないから、何もしないで様子を見てはどうかと提案された。もし不幸にもお腹の中で死んでしまったら、陣痛促進剤を打って自然分娩の形で胎児を外に出すしかない。
これはおかしいと受診したのは、丁度、定期の検診の日に当たっていた。受診した時、まだ胎児の心臓は動いていた。
―かなり弱っていますが、まだ心臓は動いています。
医師はエコーを通して胎児の心臓を指しながら、言ったそうだ。
まだ二十一週なので、このまま体外に出しても無事に育つ可能性は少ないから、何もしないで様子を見てはどうかと提案された。もし不幸にもお腹の中で死んでしまったら、陣痛促進剤を打って自然分娩の形で胎児を外に出すしかない。