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100万本の赤い薔薇
第2章 初めてのデート
茉莉子がそっと目を開いた。
ぼんやりした視界の向こうに長谷川が居た。


「大丈夫かい?
水、飲んだ方が良いんじゃないかな?
勝手に冷蔵庫から持ってきたヤツだけど。
本当はベッドに運びたかったけど、
犬が怖くて寝室のドアを開けれなかったよ」

少し戯けながら長谷川は茉莉子を起こそうとした。


途端にビクッと茉莉子の身体が震えだす。


「大丈夫か?
熱でもあるのか?
それとも、何か病気でも?」

と、少し真剣な顔になって尋ねる。


「あの…」

説明しようと思うが、
まだ動揺していて声もあまり出ない。


「良いよ。
何が理由がありそうだけど、
無理して話さなくても良いよ。
とにかく、水、飲んで」

とボトルを渡すが、
手に力が入らないのか、
ボトルが滑り落ちそうになる。

咄嗟に茉莉子の手を包み込むようにして、
ボトルを支える。


「それじゃあ、蓋も開けられないかな?」

と言ってキャップを捻ると、

「ひょっとして、ボトルに口付けて飲むとか…
やったことなさそうだな」

と、サイドテーブルにボトルを置き、
キッチンに入るとあちこち収納扉を開いて、
コップを取り出して戻ってくる。


「バカラとリーデルだったから、
取り敢えずリーデルのにした。
割るといけないからな」

と笑いながらペットボトルの水をグラスに注いだ。


「大丈夫か?飲めるか?」
と訊くと、
コクリと頷いて、
子供のように両手でグラスを抱え込むようにして持って、
ゆっくり水を飲んだ。

まだ、震えているのか、
唇の端から水が溢れている。


それを舌で舐めとりたい…

と思ったが、
父親のような顔をして、
頭から滑り落ちていたハンドタオルでそっと拭ってやった。
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