この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
また桜は散り過ぎて
第1章 変化は出会いへ繋がる
その、元食堂に工事の手が入ったのは、シャッターが上がった次の日だった。
私が朝駅へ向かう時間には作業は始まっていないが、
仕事を終え帰ってくる時間にはまだ扉が開き電気がついていて、
あまり大きな音をたてないような作業をしているようだった。
一度、開け放たれた入り口から中を覗き見た。
その時はまだ壁をきれいに塗り替えているくらいしかしていなかったので、
なにに生まれ変わるのかはわからなかった。
その、謎に包まれていた元食堂が喫茶店に生まれ変わる、と教えてくれたのは、
行きつけの総菜屋のおかみさんだった。
「おかみさんは今工事している元食堂って何になるか、知ってるんですか?」
テーブルに並んだ総菜パックの中から一つ手に取りながら聞いた。
「喫茶店になるんだってよ」
「へえ!喫茶店ですか、いいですね」
「店主はね、地元の人じゃあないらしくて、どこだかから引っ越してくるんだって。
それより町田さん、その店主がまたいいオトコなんだよ」
「えっ!すごい情報!おかみさん、いいオトコだってどうして知ってるんですか?」
「だってあたし、会ったんだもん」
私が朝駅へ向かう時間には作業は始まっていないが、
仕事を終え帰ってくる時間にはまだ扉が開き電気がついていて、
あまり大きな音をたてないような作業をしているようだった。
一度、開け放たれた入り口から中を覗き見た。
その時はまだ壁をきれいに塗り替えているくらいしかしていなかったので、
なにに生まれ変わるのかはわからなかった。
その、謎に包まれていた元食堂が喫茶店に生まれ変わる、と教えてくれたのは、
行きつけの総菜屋のおかみさんだった。
「おかみさんは今工事している元食堂って何になるか、知ってるんですか?」
テーブルに並んだ総菜パックの中から一つ手に取りながら聞いた。
「喫茶店になるんだってよ」
「へえ!喫茶店ですか、いいですね」
「店主はね、地元の人じゃあないらしくて、どこだかから引っ越してくるんだって。
それより町田さん、その店主がまたいいオトコなんだよ」
「えっ!すごい情報!おかみさん、いいオトコだってどうして知ってるんですか?」
「だってあたし、会ったんだもん」