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また桜は散り過ぎて
第5章 常連の仲間入り
「私、以前は町の食堂のコックをやっていたんです。
洋食や和食、中華もとなんでもありの大衆食堂です。実は父親が料理人だったんで、
その影響もあるんですかね、自然と料理の道に入ったんです」
思わずハッと息をのんだ。省吾さんも・・
バーをやる前は洋食屋さんのコックをしていた。
桜葉という名、そして料理人だった過去。
こんな偶然、すごすぎる。失恋後に私が出会った男性たちが
こんなにも共通点を持っているなんて。
驚きのあまり絶句していると、小西さんは少し表情を固めて私の様子を窺った。
「あの、どうかしたんですか?なんだか少し、驚かれているようですけど・・」
「あ、いえ、実は知り合いに同じような経歴の人がいるんでちょっとびっくりしちゃって」
「そうでしたか」
一言返しただけで、小西さんはそれ以上の深入りをしてこなかった。
やたらに他人の中に立ち入らない、そんな大人の品の良さが感じられた。
「そういえば・・」
わずかな沈黙の後、再び小西さんが口を開いた。
洋食や和食、中華もとなんでもありの大衆食堂です。実は父親が料理人だったんで、
その影響もあるんですかね、自然と料理の道に入ったんです」
思わずハッと息をのんだ。省吾さんも・・
バーをやる前は洋食屋さんのコックをしていた。
桜葉という名、そして料理人だった過去。
こんな偶然、すごすぎる。失恋後に私が出会った男性たちが
こんなにも共通点を持っているなんて。
驚きのあまり絶句していると、小西さんは少し表情を固めて私の様子を窺った。
「あの、どうかしたんですか?なんだか少し、驚かれているようですけど・・」
「あ、いえ、実は知り合いに同じような経歴の人がいるんでちょっとびっくりしちゃって」
「そうでしたか」
一言返しただけで、小西さんはそれ以上の深入りをしてこなかった。
やたらに他人の中に立ち入らない、そんな大人の品の良さが感じられた。
「そういえば・・」
わずかな沈黙の後、再び小西さんが口を開いた。