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水曜日の恋人
第4章 赤い蝋燭
「綺麗ですね」

と呟いた。


縛られることが、気持ち良いのかは良く判らないけど、
赤い紐で縛られている女性は、
なんだかとても美しかった。

自由にならない状況で、
イヤラシイことをされるって考えるのも、
気持ち良いのかもしれない。

何より、酒井さんがしたくて、
喜んでくれて、
頑張ったねと褒められたいという気持ちもあった。


縛りとかやったら、
写真とか撮りまくりたくなりそうだな。

とか、
本当は、師匠に見て貰いたいよな。

とか、変なことを言ってるけど、
だんだん、酒井さんのこと、好きになってると感じてたから、
何をされても構わないかもと、思ってた。



でも…
お尻?
アナル?
それは無理だと思った。





一通りビデオを観ると、
「さて、帰るか!」と言って、
忘れ物がないか点検を始めた。


「今日もご飯、一緒に食べれないし、
今日はものすごく頑張ったから」と、
また、白い封筒を渡された。

いつもより厚みがあるように感じたけど、
断ってもなんやかんやでもたされるのは知ってたので、
そのままトートバッグに入れた。



「あの…奥様に本当にビデオ、観せてるんですか?」と訊くと、

「ああ」と頷いた。


お金持ちのすることは良く判らないけど、
嫌な気持ちにならないのかな?と心配にもなった。




帰宅して、封筒を見たら、
20枚入っていた。

うーん。
ものすごく頑張ったって…

私も、気持ち良かっただけなのに?

でも、お金渡した方が、気が楽になるのかもしれないし。

そう思いながら、
封筒に日付を書いて、
貴重品入れに放り込んだ。



次は…縛られちゃうのかな?
ちょっぴりワクワクしたけど、
縛りはそんな楽チンなものではなかった。
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