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先輩!彼氏にしてください!
第8章 危険人物
誰にでも優しくて、気前が良くて、かっこいいし頭もよくて……
谷川くんみたいにネチネチもしてない、カラッとした太陽みたいな人、だと思う、、けど……
「………いまいち、人間味ないっていうか」
まぁ、先輩も在学してた頃はそんなところも含めて好きだなぁ…なんて思ってたりしたこともあった、んだけど。
「あ〜…なんか、ちょっと分かります」
そう言って葵ちゃんはぽりぽりと頬をかく。
「新先輩ってあんまり感情出さないですもんね」
「……そう、だね」
正確には、負の感情を出さない、が正しいのかもしれない。
「でも、なんていうか…あの悪い意味ではなくて、そういうところもほのか会長と似てるし、お似合いなんじゃないかなぁって思いますけどね」
「え………?」
私も新先輩が似てる……?
私も後輩からすると、あぁいう感じってことなんだろうか…。
「いやぁでも、ほのか会長が新先輩と付き合ったら、谷川くんどうなっちゃうんでしょうね?」
ハハハと引き攣った顔で笑う葵ちゃんを見て、私はペンキのハケを置きながら項垂れた。
たしかに…考えたくもないくらい、めんどくさい展開が待っていそうでならない。