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先輩!彼氏にしてください!
第8章 危険人物



「………ごめんなさい」


「………………」


「また……暴走しました」



谷川くんの言う通り。


彼はいつもいつも、私の気持ちなんかお構いなしで所構わず襲ってきて……



─────────── 嫌ならもっと嫌がってください



あぁ……でも、本当にそうだろうか…



たしかに私は押しに弱いし、断れない人間だけど……



でも、新先輩のキスは跳ね除けられた。




─────────── 優しいし正義感があるから断るのは苦手かもしれないけど。でも、同じだけ、こいつは『強い』し、自分を大事にするやつだか



さっき新先輩が分かったように言ってきた言葉が脳内をめぐる。


癪だけど、先輩の言う通り、私はいくら押しに弱いとは言え、自分の身を傷付けるようなことはしない。


だから、本当の意味で谷川くんを跳ね除けないのは…



「………先輩っ…あの…なんかいってくださいっ」



胸が高鳴って、谷川くんがかわいく見えて仕方ないのは…



「っ……本当に僕のこと嫌いになっちゃいました? そんなの────」



谷川くんが目に涙を溜めると体がゾクゾクするのは…



「──────── うるさい…ちょっと黙って」



そのままさらに谷川くんのネクタイを引っ張って引き寄せた私は、『何て自分はバカなんだろう』と脳内で呟きながら、谷川くんの唇を塞いだ。


あー……どうしよう。







谷川くんのことが、



好きになっちゃったかもしれない。






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