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先輩!彼氏にしてください!
第1章 彼氏にしてください!
「知らないけど、とにかく、あんなに付き纏ってて、『ほのか先輩、ほのか先輩』ってうるさくて……好き以外にあり得ないでしょ」
「っ……そっかバレてたのかぁ…恥ずかしいなぁ」
途端にかわいげを出した谷川くんは両手で顔を押さえている。
そんなことしなくたって前髪長くて表情なんか見えないけど。
「……バレてた上に…ほのか先輩は僕のことを知りたいと思ってくれてるなんて────」
「───── ちょっと? また勝手に突っ走って変な勘違いしないでくれる?」
「………どうして」
どうしても何もない。
てか私、谷川くんのことを知りたいなんて一言も言ってないはずだ。
「何も知らないから、僕のことがキモチワルイんですよね? つまりこれから知れば、僕のこと好きになるってことですよね??」
「…………」
はぁと呆れて深くため息を吐く。
なにその謎理論。
もはやコワイ。
「あのね、それ以前の問題。好きになるかどうかとか、そういうのを考える土俵にも今君はいない訳」
「……そんな…」
シュンとする彼に近付く。
くらーいムードにやられて、こんなこと言ったら悪いけど近くにいるだけですごく不幸になりそうだ。
「まずさ…そのむさ苦しい前髪切ったら?」
「えっ……」
「谷川くんがキモチワルイ理由の20%はまずこの前髪だと思う」