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先輩!彼氏にしてください!
第4章 モデルをお願いします!
「さっきの子、谷川くんの彼女…?」
「……………じきにそうなる人、です」
「ふーん。口説き中ってことかな?」
軽々しい言葉で片付けられたことに少しイラッとしながら、僕は立ち上がった。
「彼女……見たことあるなぁ」
「生徒会長だからじゃないですか」
「あーそうだそうだ」
中々血が止まらない。
先輩の水着姿がエロ過ぎたせいだ。
今まで妄想するしかなかったほのか先輩の体付きが、すごく鮮明だった。
普通に教室にいたら見られなかったことを思うと、やっぱり日頃の行いがいいのかもしれない。
「彼女が、この絵のテーマになってる子?」
「…………そう…です」
ゆっくりとほのか先輩の水着姿を反芻したいというのに、早坂先生がそれを遮る。
「いいじゃーーん! 同じ学校ならモデルもしてもらいやすいし」
「え……?」
「彼女にお願いして、描かせてもらいな。大丈夫、時間はあと2週間くらいある」
「………どうですかね…」
「大丈夫、谷川くん、ノリに乗ると作品仕上げるのめちゃくちゃ早いじゃん! この絵だって、爆速で描いちゃったし」
そういう問題じゃない。
素直に先輩にお願いしたってOKしてくれそうにないことが懸念なんだけど…
「とにかく、やってみようよ、ね」
そのまま鼻を押さえながら、ただただ能天気な先生の言葉にため息を漏らした。