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咲くのも、散るのも
第1章 予期せぬ再会
声で拓海だと分かった。

低音なのに、耳の奥まで心地よく響く甘い声。

絶妙なタイミングで電話をよこした拓海に、すべてを悟られていそうな気がして、見られているわけも亡いのに、萌絵は慌ててシーツを手繰り寄せて裸体を隠した。

「なんでこの番号を…」

「さっきもらった名刺だよ」

凛子が急場しのぎで作った萌絵の名刺には、萌絵個人の携帯番号が印刷されていたのだ。

「さっきは、ちゃんと挨拶できなくて、ごめん」

拓海は言葉を探すように途切れ途切れに言った。
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