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咲くのも、散るのも
第2章 花開くとき
「私、正直達志を憎んでたわ。でも、結婚している間、私は自分の気持ちばかりに気を取られて、達志がどんな思いでいるか、考えていなかった。振り返ると達志は常に目の前の相手に精一杯の思いやりと真心で向き合ってたんじゃないか、って気が付いたの」

「萌絵ちゃん」

達志は涙声で袖で顔をぬぐって言った。

「俺、萌絵ちゃんと結婚できてよかった」

「いま私がそれ言おうとしたのに…たくさん優しくしてくれてありがとう。私、達志との結婚生活を、よかった経験にできるように頑張るから」

「そんな風に言ってくれて、ありがとう。…誤解を恐れずに言うけど、萌絵ちゃんはやっぱりいい女だ」

「そういうのは本当に誤解されるから、これから先はやめたほうがいいよ。また、事をややこしくしたら大変」

萌絵は笑った。
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