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咲くのも、散るのも
第3章 花散るとき
インターホンが鳴った。片足を引きずりながらモニターに近づくと、拓海が映っている。
しばらく返事をせず、萌絵はじっと画面を見つめた。
(出ちゃだめ‥!)
自分に言い聞かせた。けど、同時に、拓海に、行かないで、と心の中で叫んでいる。
拓海は正面に立ったまま、じっとレンズを見ている。モニターを見ていると、じっと見つめ合う格好になって、胸がドキドキと脈打った。
萌絵は通話ボタンに指を置いたが、ボタンは押さないままで「お願い、帰って」とつぶやいた。
「出てくれるまで、ここにいるよ」
まるで聞こえたかのようなタイミングで拓海が言ったので、萌絵は飛び上がった。その拍子に、指先が滑ってうっかり開錠ボタンを押してしまった。
しばらく返事をせず、萌絵はじっと画面を見つめた。
(出ちゃだめ‥!)
自分に言い聞かせた。けど、同時に、拓海に、行かないで、と心の中で叫んでいる。
拓海は正面に立ったまま、じっとレンズを見ている。モニターを見ていると、じっと見つめ合う格好になって、胸がドキドキと脈打った。
萌絵は通話ボタンに指を置いたが、ボタンは押さないままで「お願い、帰って」とつぶやいた。
「出てくれるまで、ここにいるよ」
まるで聞こえたかのようなタイミングで拓海が言ったので、萌絵は飛び上がった。その拍子に、指先が滑ってうっかり開錠ボタンを押してしまった。