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ラストソング
第10章 旅立ち
翌日は有給取っていたから、
1日中、家でダラダラして過ごしてしまった。
美和さんと一緒に過ごせたら、
どんなに良いだろうと思ったけど、
そんな幸福はもうやって来ないことも判っていた。
昼過ぎに起きて、ランニングシューズを履いて、
軽く走った。
ついつい、美和さんのマンションの前も走ってしまった。
会える訳もないのに、馬鹿みたいだと思って帰宅してシャワーを浴びた。
ふと、晴れた日の午後は公園でギターを弾いてるってレンくんがブログに書いていたのを思い出して、
昨日の今日で居る訳はないだろうと思いながら、
俺はその公園に行った。
ぐるぐる歩いていたら、
弾き語りする歌声が聴こえた。
その方向に歩いて行くと、
レンくんはギターを手に立って弾き語りをしていて、
その正面の少し離れたベンチに美和さんが座ってた。
美和さんが俺に気づいて、手を振った。
曲が終わるのを待って、
美和さんの隣に座った。
美和さんは、ゆったりとした顔で、
「洋平さん、おはよ」と言った。
レンくんも、
「おはようございます」と言って、
ベンチの前に来た。
「洋平さん、ご飯食べた?」と美和さんがニコニコしながら訊くので、首を横にすると、
「じゃあ、ちょっとご飯にしない?」と言って、
トートバッグから敷物を出してベンチの後ろの芝生に広げ始めた。
レンくんがギターを置いてそれを手伝う。
3人でサンドイッチを摘みながら、ポットに入れて持ってきてた温かい紅茶を飲んだ。
「ピクニックみたいね」と美和さんが言うと、
レンくんは大学ノートを開いて、
何かを書き始めてた。
食べ終わると、ウェットティッシュで手を拭いてからギターを持って、
携帯で録音しながらレンくんはピクニックを題材にした曲をワンフレーズ歌った。
「僕、1日1曲以上、作るのを自分のノルマにしてるんです。
クソみたいな曲も多いけど」と笑った。
違うコード進行を試したりしながら、
ノートにあれこれ書き足しているのを見てたら、
俺も猛烈にギターを弾きたくなってきた。
1日中、家でダラダラして過ごしてしまった。
美和さんと一緒に過ごせたら、
どんなに良いだろうと思ったけど、
そんな幸福はもうやって来ないことも判っていた。
昼過ぎに起きて、ランニングシューズを履いて、
軽く走った。
ついつい、美和さんのマンションの前も走ってしまった。
会える訳もないのに、馬鹿みたいだと思って帰宅してシャワーを浴びた。
ふと、晴れた日の午後は公園でギターを弾いてるってレンくんがブログに書いていたのを思い出して、
昨日の今日で居る訳はないだろうと思いながら、
俺はその公園に行った。
ぐるぐる歩いていたら、
弾き語りする歌声が聴こえた。
その方向に歩いて行くと、
レンくんはギターを手に立って弾き語りをしていて、
その正面の少し離れたベンチに美和さんが座ってた。
美和さんが俺に気づいて、手を振った。
曲が終わるのを待って、
美和さんの隣に座った。
美和さんは、ゆったりとした顔で、
「洋平さん、おはよ」と言った。
レンくんも、
「おはようございます」と言って、
ベンチの前に来た。
「洋平さん、ご飯食べた?」と美和さんがニコニコしながら訊くので、首を横にすると、
「じゃあ、ちょっとご飯にしない?」と言って、
トートバッグから敷物を出してベンチの後ろの芝生に広げ始めた。
レンくんがギターを置いてそれを手伝う。
3人でサンドイッチを摘みながら、ポットに入れて持ってきてた温かい紅茶を飲んだ。
「ピクニックみたいね」と美和さんが言うと、
レンくんは大学ノートを開いて、
何かを書き始めてた。
食べ終わると、ウェットティッシュで手を拭いてからギターを持って、
携帯で録音しながらレンくんはピクニックを題材にした曲をワンフレーズ歌った。
「僕、1日1曲以上、作るのを自分のノルマにしてるんです。
クソみたいな曲も多いけど」と笑った。
違うコード進行を試したりしながら、
ノートにあれこれ書き足しているのを見てたら、
俺も猛烈にギターを弾きたくなってきた。