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ラストソング
第2章 心機一転
俺に言ったことで安心したのか、
2人は手を繋いで帰って行った。


俺も美和さんの部屋に帰った。


「ただいま」と言っても返事はなくて、
静かだった。

そうだ!と思って、
LINEで「帰宅しました」と打ってみたけど、
すぐに既読にはならなかった。


荷物を奥の部屋に置いて、
「ランニングしてきます」とLINEで打って、
ジーンズをジャージ姿に小分けのキャットフードを手に、
ランニングシューズを履いて外に出た。


考えてみたら、この辺りはこれまでも良く走っていた場所だった。
習慣で直子の家の辺りも走った。
部屋の灯りはついていた。
また、マークが居るんだろうかと一瞬考えたが、
どうでも良いやと思った。


美和さんの部屋の中は、相変わらず静かだった。


「ランニングから戻りました。
シャワーと洗濯機、お借りします」とLINEで打ってみた。
まだ、既読にはなっていなかった。


シャワーをして、タオルで髪をガシガシ拭いて、
歯磨きをしたら、スッキリした。


着替えた服とタオルを洗濯機に入れて乾燥までのコースでセットしながらLINEをチェックしてみたけど、やっぱり既読にはならない。


あの部屋に居るんだろうか?
気になってドアに耳を当ててみたが、
何も聞こえなかった。


洗濯物が終わるまで待ちきれず、

「お先に寝ます。
明日、会社の帰りに不動産屋さんに寄ってみます。
それと、ゲンさん、素晴らしかったです。
ありがとうございます。
おやすみなさい」
とLINEした。


ソファに横になると、すぐに寝てしまった。





明け方に、自室から美和が出て来た。

ニコニコ笑いながら、
「合格ね」と洋平に呟いたが、
洋平は全く気付かず、深い眠りの中だった。



美和は、LINEを開いて返信を打ち込んだ。

「仕事してて気付かなくてごめんなさい。
平日はお仕事でしょうし、
金曜日はライブで、途中スタジオ練習もあるんだろうから、
暫く居候させてあげる。

その代わり、3つの約束を守ってね。

1)女を連れ込まない。あ、男も連れ込まないでね。

2)私の部屋は絶対に開けないこと。

3)いきなり帰宅したりとかでビックリするから、帰宅する時は連絡して、出掛ける時も連絡してね。LINEでOK。


ここまで打つと安心した顔になり、シャワーを浴びて自室に戻って行った。
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