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ラストソング
第4章 戦闘開始
シャワーを浴びた美和さんは、黒い胸元が開いたワンピース姿で、髪もフワリと巻いていた。
すっぴんだけど、口紅を塗っただけで、フルメイクしてるみたいな顔に見えた。

部屋でゴソゴソと荷物をまとめて出て来る。
Hの文字がパンチングで抜かれているバッグを斜め掛けにして、小さ目のキャリーバッグの上にカメラバッグも載せていた。


「2、3日、留守にするので、戸締りと火の元、気をつけてね!」
と、俺の頬にキスすると、

「あっ!口紅ついちゃったね!」と笑う。


「3つのルールはそのままだからね。
誰も連れ込まない。私の部屋には入らない。一応家を出る時、帰る時はLINE連絡ね!」


そう言うと、スタスタと出て行ってしまった。



美和さんが居なくなった部屋は、
とても静かで寂しかった。

美和さんとの昨夜からのことは、
なんだか夢みたいにも思えた。


でも。
手の平に、しっかりあの柔らかい感覚は残っていた。


首を振ってから、気持ちを切り替えて、
レコーダーとギターを出して、
曲と歌詞を書き始めた。

美和さんの曲だ。


しかし、2、3日か。
俺、会いたくて気が狂いそうになるかもな。


あ、その気持ちも曲に出来そう。


これはもう、何かしてないと、
本当にどうにかなりそうだった。


そして、美和さんが好きな男って…
ゲンさんなのかな?

でも話も出来ないっぽいこと、言ってたような気がするけど、
ゲンさんとは親しそうに話してたしな。



仕事って言ってたけど、
カメラも持ってたから、
やっぱり写真も仕事の一部なのかもしれないな。



よく考えたら、
一緒に住まわせては貰ってるけど、
俺、美和さんのこと、何にも知らないんだなと思った。


美和さんが帰って来たら、
もっと話がしたいと思った。



そして、日曜はスタジオ練習して、
月曜は仕事残業。
美和さんは帰ってなかった。

火曜は仕事の後、ボイトレに行って帰宅したけど、
やっぱり美和さんはまだ帰ってなかった。


2、3日って…いつまでだ?





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