この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ラストソング
第6章 一騎討ち
美和さんは、レンくんのライブに出掛けた。
そう直感した。

そして、そう思ったらじっとしてられなかった。

携帯に入れてたレンくんのライブスケジュールを見たら、
下北沢のライブハウスとメモしていたので、
パーカー羽織って急いで家を出た。


会場について、入り口でお金を払う時に、
レンくんのバンド名を伝えると、
受付のヤツが名簿を捲りながら予約しているかと訊いてきた。
「いや、予約はしてない」というと、
名前を訊かれたから、伝えると、名簿に書き込んでた。
その名簿を見ると、俺の名前の前に、美和さんの名前が書いてあった。

ライブの順番を訊くと、
今、1個前のバンドの最後の方ですねと言われたので、
中に入った。


座席は取り払われている会場ですし詰めだったが、
後ろの端っこに美和さんがマスクとキャップ姿で立ってるのが見えた。

後を追ってるのが女々しいと思われそうで、
俺は手前の反対側の柱の処で身体を縮めてた。


レンくんのバンド演奏が始まった。
この前と少し曲を変えているようだった。
最後の曲も、違う曲だったが、
本当に身体が震えるようなものだった。

そっと美和さんの方を見ると、
ハンカチで涙を拭いていた。
肩を震わせて号泣しているようだった。


そして、レンくんのバンドの演奏が終わると、美和さんは俺に気付かず、俺の前を通ってライブハウスから出て行った。
俺はワンテンポ遅れて出ようと思っていたら、

「すみません。ちょっと通してください」と言いながら人混みを掻き分けてレンくんがドアに向かうのが見えた。

俺の前を通る時、
思ったより小柄なんだなと思った。


どうしようかな?と迷ったが、
俺も後を追うようにライブハウスから出た。


地下の階段を登って外に出て駅の方向へと少し先を走っていくレンくんが見えた。
俺もゆっくり同じ方向に向かうと、

「美和さん!」と呼び掛けるレンくんの声が聞こえた。

美和さんがゆっくり振り返るのが見えたので、
俺は思わず店の看板の影に隠れた。
なんだよ、これ。
物凄くカッコ悪い状況だよ。


立ち止まった美和さんは、まだ泣いているようだった。
/111ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ