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ラストソング
第7章 大阪の陣
俺は情けないことに泣いてたと思う。

そして、俺はそのまま、美和さんを押し倒しそうになったけど、
美和さんは、
「ダメだよ。キスだけ、一杯して?
あと5分したら出なきゃいけないし」と言って、
俺の顔中にキスをしてくれた。


「泣いても笑っても、
レコ発ライブはあと1本。
後のことは、終わったら考えようね。
私も一杯一杯だから」と言って、
もう一度俺の唇に軽くキスをすると、

「さて!戦闘開始だ」と言って、
勢いをつけて立ち上がると、
鏡に向かって口紅を塗った。

鏡越しの美和さんは、
すっぴんに口紅だけなのに、
壮絶な程、綺麗だった。

俺の方を振り返った美和さんは、キリリとした顔で、
あどけなさは微塵もなかった。



夕方までホテルでダラダラしてしまった。
夕方慌てて支度をして部屋を出ると、外にタオルやアメニティの入ったカゴがあったので、室内に入れた。

美和さんが教えてくれた箱は、
東京やニューヨークにも展開している有名店で、
俺は入り口で楽器と荷物を預けて1番乗りで中に入った。

端のカウンター席に案内されて見回すと、

「よう!来てくれたのか」と、
サングラスを外したゲンさんが居た。
音楽をやっている人なら、誰でも知っている有名ベーシスト、その人だった。

俺は立ち上がってペコリと頭を下げた。


他のメンバーも日本を代表する一流ミュージシャンで、話し掛けるのも畏れ多い感じだった。


そして、美和さんはキリリと真っ赤な口紅を挿して、
アメリカ人オルガニストの隣で、あれこれ話をしていた。

オルガニストにも、他のメンバーたちにも、
ハグしたり、頬にキスされたりもしているが、
不思議とヤキモチは焼かなかった。


一度だけこっちを見て、手を振ってくれたが、後は目が合うこともなかった。


ライブが始まった。
インストルメンタルな曲ばかりだが、どの曲も唸ってしまうような演奏が続いた。
客席は、上品な中年や初老の男性が多かった。
ヤンチャにTシャツにサングラス姿の客も居たが、どう考えても業界人ぽい。

1杯の飲み物も上品で、いつも飲む酒の2倍くらいの価格だから、
ナッツを摘みながら、ゆっくり飲んだ。


凄い世界に美和さんは居るんだなと思いながら、店を後にして新幹線に飛び乗った。
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