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ラストソング
第8章 最後の聖戦
演奏の後は、パーティータイムにしていた。

ゲンさんは初めてサングラスを外して、
連れの人を紹介してくれた。

レコード会社の人たちと音楽事務所の人たちだった。

美和さんも知り合いらしく、
楽しそうに握手したり、ハグしたりで、
話をしているようだった。

華やかで可愛くて、
とてもさっき、バンドTシャツ着てギターを弾いていたとは思えないほどだった。



俺たちはファンの子たちとも、写真を撮ったり、
CDにサインをしたりで、
美和さんとはちっとも話が出来なかった。


今夜、話をして、
美和さんの家を出るつもりだった。


このレコ発ツアーが終わったら…

俺は美和さんの家を出る。
そして、美和さんはレンくんと一緒になる。
それが結論だと思っていた。


この前の演奏を聴いた時に、
はっきりと俺は、
レンくんに負けたと言うことが判っていた。
音楽的にも、男としても。

勿論認めたくはなかったけど、
これはもう覆せないと思って、
木曜に不動産屋に行って物件を決めて契約してきた。

鍵も貰ったので、スーツケースに入れた荷物なんかは、
今朝、運んできた。

そして、バンドからドラムもベースも居なくなることを考えたら、
バンドとしての存続も難しい。
潮時だ。


レンくんたちは、まだまだ若くてこれからがある。
ギタリストは吐いて捨てるほど居る。

30歳の俺たちで、
この程度の才能では、
音楽でメシを食うなんてことは、
夢のまた夢なんだ。

でも、だからこそ、
今日最後に演奏した、
『もうひとつのラストソング』を、
美和さんに聴いて貰えて本当に良かったと思った。


そして、音楽を諦めてサラリーマンする俺なんかは、
美和さんの隣になんて、
とても居られる訳はないと思っていた。



そんな話を、美和さんにもレンくんにもしたいと思っていたら、
思い掛けずレコード会社や事務所から声が掛かった。


「ライブ終えたばかりだから、後日、良かったら話を」と言われた。

何でこのタイミングなんだ?と、
巡り合わせの悪さを呪った。


まだ、やれるんだろうか?


せっかく決めていた事が、
また、少し揺らいでしまっていた。
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