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第4章 風

　今日は 逃げない。もう逃がすものか、と思う。
　胸から 手をすべらせ あばらを一本づつ数えながら 骨盤まで辿りつく。
　こんなに華奢なのかと驚く。
　こんなに小さいのに 受け入れることができるのだろうか。なんだか ひどいことをしているような 罪悪感がかすめたが すぐに欲望に打ち消される。

　下着に手をかけたときに 碧の身体がぴくりとした。みると 目を大きく見開いている。哀願しているようにもみえる。キスしながら脱がそうとしたら 腰をひいてのがれようとする。
　「いや？」
　頬がピンク色になっていて とても可愛い。
　唇が動いて 何か言いかけたけど 観念したようにぎゅっと目を閉じた。

　とても　不思議。
　大輝の細くて逞しいこんがりと日焼けした腕が　何度も抱きしめてくれる。
　大輝の指が　わたしに触れるのを歓んでいるのが伝わってくる。
　とても不思議。
　遠い人だと思っていたのに　キスしては　目を覗きこむ。大輝の瞳の中に　わたしの顔がある。
　肌が触れ合っていると　血液が　炭酸水になったみたいに　悦びと快感の泡がはじける。

　きっと　大輝も同じように　この時間を大切に思ってる。


　手が入るくらいパンティを下げると 膝を入れて脚を少し開かせる。碧が 腕にしがみついてくる。
　その耐えているような様子に興奮がかきたてられる。
　そおっと ひとつづつ 指に神経を集中させて確かめていく。
　これがクリトリス。つまもうとしたら くりっとにげた。碧が「あぁん」とつぶやく。 もう一度 つまもうとすると やっぱりにげる。人差し指と中指で挟んでみる。碧が いよいよ強くしがみついてくる。
「かんじる？」
　碧は 真剣な顔をしてうなずく。