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Memory of Night 2
第2章 秘密のアルバイト
(晃に細かいこと教えなくて良かった)
宵は半同棲中の恋人のことを思い、安堵のため息をつく。嫉妬深い晃のことだから、ハプニングバーでバイトを始めたなんて言ったら即やめさせられそうだ。
「わかってると思うけど、本当なら高校生が働いていい店じゃない。バレないようにしろよ」
春加からの念押しに、宵は腑に落ちない気分で一応頷いた。だったら高校生である自分に声をかけるなと言いたい。あの日も今日のように制服だったのだから、自分が高校生だということは一目でわかったはずなのだ。
十分ほどでアパートの前に着いた。
車を下りようとしたところで思いだし、宵はズボンのポケットを探る。
折り畳まれた万冊を春加に差し出した。
「そういえばこれ、あのオジサンに貰った。二万。チップだって」
「……ふーん」
「ふーんじゃねーよ。どーしたらいいんだよ、これ」
「貰えばいいじゃん」
「……やだよ、あとあとめんどくさそうじゃん」
「あたしに言われてもねー。受け取ったおまえが悪いんだろ」
「ドリンク持ってる時にポケットに入れられたんだよ」
「ならあとで自分で返しな」