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Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

懐かしい記憶を掘り起こされたような、そんな気分で目覚めたのを思い出す。
「だからそこから少し思い出しただけ。あと春加が雨ん中ドライブなんか連れまわすから、ちょっと事故った時のこと思い出しちまっただけだよ」
「……ハル姉はちょっと許せないかな。あとでお灸をすえてやりたいね、本気で」
「怖。バイト先には来んなよ、絶対」
晃の性格を考えると、来かねない。
晃はにっこりと、胡散臭い笑みを浮かべただけだった。
だがそこで晃は一つの疑問が浮かび、宵に聞いた。
「そういえば、事故った日って平日の昼間だったんだろ? 仕事じゃなかったの? なんで二人で車に?」
「あー……」
宵は一瞬言葉を濁し、アイスティーを一口飲んだ。
「……役所に向かってたんだよ」
「役所?」
宵の脳裏に、姫橋祭の帰り道、桃華に言われた一言が蘇る。
来年は虫かごを持って来よう。それは本心からの言葉だったのか、今となってはわかりようもない。
来年また、家族で祭に来れると、来たいと思っていたのか。
アイスティーの氷が、溶けて崩れ、カランと音を立てた。
「ーー離婚届を出しにいくところだったんだよ。二人で」
その詳しい理由は結局聞かされないまま、二人は帰らぬ人となったのだ。

