この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night 2
第15章 海

明に案内され、二十分ほど歩いたところにその海水浴場はあった。
看板には青い字で、『沖浜(おきはま)海水浴場』と書かれている。
なだらかに建つ防波堤の下には、白い砂浜。
そして、さらさらと音を立てそうな砂浜の向こうには、青い大海原が広がっていた。
「海だー!」
大山が声をあげる。
「こっちから降りれるよ」
明に案内され、防波堤の途中にある階段を降りていく。湿った風に潮の匂いが混じりに、海のない町とは空気が違っていた。
海水浴場には、そこそこ人がいる。家族連れもいるにはいるが、カップルや若い男女のグループが多かった。
「結構混んでるね」
晃が言う。
「ううん、少ない方よこれでも。八月すぎると三倍くらいになる」
「そんなに?」
今は七月末。明が「大丈夫ならなるべく早めがいい」と言っていたのは、混雑する前に、という意図が大きかったようだ。
「天気もあるかもね。明日の夕方、台風が近くを通りそうだから」
晃は言いながらスマホを開いた。
「あれ、明後日じゃねーの? 関東に接近するってやつ」
宵も隣から覗きこむ。
「早まったみたいだよ」
「えー、やだー、タイミング悪っ」
「普段の俺たちの行(おこな)いのせいだな」

