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Memory of Night 2
第15章 海
その時だった。
「お待たせ、遅くなってごめんね。お店どこも混んでて。飲み物と、海鮮焼きそばと、焼き物を適当に……」
言いかけて、晃が動きを止める。
一斉に宵たち三人の視線が自分に向いたことに気付いたからだ。
「……どうかした?」
「ねえ、アッキーってさ」
明がおそるおそると言った調子で尋ねる。
「これで魚捕れる?」
大山がモリを指差す。
「いや、さすがに無理じゃ……」
宵が付け加える。いくら苦手なことがない晃とはいえ、モリで魚を捕るなんて芸当、なかなかーー。
「あー、スピアフィッシングだね。モリで魚を突いて捕まえるやつでしょ?」
「そんな呼び方があるんだね」
「なんでもとりあえず英語にすると様(さま)になるな」
明と大山が関心したように言う。大事なところはそこではないのだが。
「二回くらいしかやったことないけど、できると思うよ。何匹か捕ったことある。変わったもの持ってくるね、明ちゃん」
「……マジで? できんの?」
「うん、コツ掴めれば意外と簡単だよ」
にっこりと笑う晃に、三人は言葉もない。
「とりあえずお昼食べてから。午後はみんなでそれやろうか」
そう言って、ペットボトルの茶を配り始める晃であった。