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Memory of Night 2
第15章 海

「もー、ひどいっ!」
そう言って、海の方に転がっていくビーチボールを全力で追いかけていくのだった。
「…………おまえほんとに明には容赦ないよな。一応女子だぞ」
「そーだっけ?」
別に男子に見えるわけではもちろんないのだが、さばさばしてノリのいい明の性格には女子らしさもさほどなく、つい遠慮を忘れてしまうのだった。
それからもう一つ、個人的な恨みもなくはないので余計だった。文化祭の時のクラスの出し物や、晃の前で春加の車に乗っていたことをバラされてしまった件など。
もちろんそこに悪意がないのはわかっているが、強いて言うなら間が悪いのであった。
砂のついたビーチボールを抱え、トボトボと戻ってくる明。
「叔母ちゃんに、夕飯の魚捕ってくるねって啖呵切ってきたのになあ。宵、なんとか捕れない?」
「無茶言うな。俺だってやったことねーよ。そんなんで動き回る魚捕れるわけないだろーが。せめて釣竿とか、もうちょっと一般的な道具持ってこいよ」
なぜそんな高度そうな武器なのか。
「釣竿無かったんだもん。大山は?」
「いや、普通に俺も経験ない。てかあるやついるのか、海なし県で育った俺達の中に」

